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2004.12.25

やはりヒーローは不滅なのだ

新宿のNTTタワー
 ヒーローの世代というのがある.
 
 これは極私的な見方で,私にとってのヒーロー達というと15年先を行く先輩達だ.たとえば山下達郎,村上春樹などが相当する.
 
 彼らがバリバリ活躍していた頃,こちらはちょうど中学~高校生で,いわゆる「憧れの的」「目指すべきゴール」と云えるかもしれない.こちらが大学にいた頃,ちょうど彼らは30代半ばを疾走していたのだと思う.まさにこちらが世界を見渡し始めて,世の中を自分の物差しで測り始めた頃に,視野の中心,遥か前方をゆく彼らが輝いて見えていたのだ.
 
 あれから既に20年が経過し,われらがヒーロー達は相変わらず活躍しているようだが,こちらはこちらで彼らが「ヒーロー」だった歳をとうに過ぎてしまっている.そして若い世代,かつての自分が通り過ぎてきた年代を見ると,自分がすっかり老いてしまったような気分になる.
 
 心の中はいつまでも1979年なのに,でも,確実に,後ろからやってきた若い世代に押し出されるように,おじさん世代に入っているのだ.
 
 先日,極私的なヒーローが急逝した.55歳とはあまりにも早過ぎる死であった.
 
 残された子供達は成人しているが,かつての自分が通り過ぎてきた20代前半という時間の流れで父親を失った.そして彼らから見ると,いまの自分がちょうど「ヒーローの世代」に相当するのだ,と気づいた.
 
 彼ら子供達が私のことをヒーローと見るかどうかはどうでもいいのだが,しかし,少なくとも私自身は,もし何かのはずみでヒーローとなってしまったときに,ヒーローとしての背中を,彼らの世代に自信をもって見せることができるのだろうか.
 
 当分の間,誰も私をヒーローと見てはくれないだろうが,けれども自分だけは,ひそかに,ちょっと,突っ張って生きてみたい――と思った.
 
 わがヒーローの死に哀悼の意を表する.安らかに眠れ.
 
 

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