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2009.01.04

ブツのブランドなのか、プラットフォームのブランドなのか

昨年のDHBR 11月号が出てきたので、編集部のはしがき(p.7)を眺めていた。子どもの相手で読む時間がなくて、ダイニングテーブルの上までこういう雑誌や本が山積みになっている。

「企業は『誓約』を売り、顧客はこれを購入する」(一五〇、一五一ページ)
……(略)……企業と顧客の間には情報の非対称性が必ず存在し――だれですか、ITによってなくなるなんて言った人は!――顧客にすれば先物買いであり、だからこそ、企業は「あなたをけっして失望させません。必ずや満足させます」と決意表明することで、顧客は信頼して購入するのだというのです。したがって、ブランドはその証明印です。

うん。たしかに企業と顧客が重ならないなら、それはそうなんだけど、たとえば、「たのみこむ」のようなサービスがさらに進化して、企業=消費者という構図に限りなく近づいたとき、“情報の非対称性”が限りなくなくなってしまうのではないか、とも思われる。そして、その進化にITは大きな影響を与えるんだろう。ネットとPCは人間の欲望の加速装置なわけだが、それは人間の意識活動だけではなくて、従来のビジネスモデルとは異なるレイヤーを生み出すだろう。

で、“情報の非対称性”がITでなくなるかどうか、そんなことは実はどうでもよくて、このはしがきを読んで思ったのは、たとえば「超・たのみこむ」モデルが出現したとしたら、そのとき、顧客にとっての「先物買い」というのは存在しなくなるんじゃないか、ということに気づいた。顧客は、自分たちがデザインした製品やサービスが登場することを既に知っている。ということは、失望することがない。もし、失望するのだとしたら、デザインを束ねている企業なりプラットフォームなりが夜逃げをするとか、そういう製品・サービス自体ではなく、その周辺に生まれるのだろう。

つまり、「顧客の信頼」の性格が、いまとは違ったものになるのだろう、ということ。ブランドとは、製品・サービスを現実のブツとして生み出すためのプラットフォームを指すようになり、商品・サービスの品質に対するものではなくなるのだろう。高級ブランド品は、既にそうなっているんだと思うけど、それが日用品レベルまで浸透したとしたらどうだろうか。「自分がデザインした洗顔石鹸だから信頼できる」みたいな判断が普通の世界。来るかな( そのころはリテールも別のスタイルになっているんだろう )。

いや、それでもやはり意外性という味付けを求めて、「超・たのみこむ」モデルの中にすら“情報の非対称性”を生み出す仕組みを組み込もうとするのかもしれない。

今日のフレーズ(mp3、231KB)
テンポを倍にしてノイズを試してみた。ハンドクラップが欲しいところなんだけど、音源に含まれていないようだ。まだまだパッドのあちこちを叩きながら探索中。


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