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2009.12.16

日本に要るのは理科じゃなくて歴史

「ものづくり」や「理科教育」や「科学振興」が大事だ、という話は、特にバブルが弾けてからよく聞くようになったような気がする。たぶん、高度経済成長期の「ものづくり」とは別の「ものづくり」なんだと思うけど、その辺の議論がないまま「大事だ、大事だ」と聞こえてきているように感じる。

それとも、何処かの密室で「次ノものづくりトハ」なんて議論されて結論が出ているんだろうか。

自分自身がどちらかというと「理系の人」でやってきて( こういう見方じたい莫迦らしいんだけど )、文学や政治・経済よりは、理科とか科学とかに親しみを感じている。でも、最近の「理科教育の大事さ」ってのは、ちょっと違うような気がするのだ。踏みはずし感がある。

「諸学の王」は、国・地域や時代によって哲学、政治学、法学だなんだと様々に云われてきているが、自分としては、たぶん「歴史」なんだと思う。40も半ばになってようやくわかってきたような気がする。

もしかしたら最近云われる「歴史ブーム」とか「歴女」なんてのは、「諸学の王としての歴史」という意識が現象化したものかもしれない、なんて考えたりする。

まず、日常生活を生きる、そこが私たちという存在の基本。この際、人生の目的なんて茫漠なことは放っておいて( どうせわかりゃしないんだから )、とにかく生きて、息して、飯食って、仕事して、出すもの出して、風呂はいって、寝る、という一連の営みがあるわけだ( ほかにはアレとかコレもある )。それは厳然とした事実で、“真実”とか“解釈”とか“認識の違い”なんてのが入り込む余地のない部分。

そんな日常生活が積み重なったりつながり合ったりこんがらがったりしたのを、しばらく経ってから肩越しに振り返りつつ眺めてみると「ああ、歴史なんだね」と気がつく。そこに人類の記憶と論理を眺め渡すことができる( 全部じゃないけど、全然見えないわけでもない )。

もちろん、見る人によって眼鏡の色が違うから、解釈だとか「歴史認識」だとか「勝者の歴史」なんてもんが出てくるわけだが、とにかく記憶と論理のこんがらがり具合が、言語的に整理されてそこにあるというのが大事で、たぶんそれが歴史の本質なんだろう。解釈の違いなんて表層の問題だ。

我々がどこからやってきて、いまどんな具合で、どこに向かうのか( 向かいたいのか )を考えるとき、歴史が軸足を置く土台になる。

軸足を置く土台というのは、つまりは共通認識の土台、プラットフォームだということ。たとえ見解の相違があったとしても、それぞれの「信じている歴史」をぶつけることで見解の相違が見えてくるわけだ。たぶん、そうやって話が始まる。

最近でこそ「○○のための10の法則」とか「××のチカラ」の類のハック系の本が日本語でも普通に見られるようになったが、欧米のサイトや本のタイトルを眺めていると、ほんとにこの手のドキュメントが多い。そんなことまでイチイチ記述するか、論文にするか、え? というようなのが。

でも、それが記憶と論理を積み重ねてゆくための基本動作なんだよな。そうやって、不完全かもしれないけど、とにかく歴史として積み重ねることで、広義のコミュニケーション( 戦争を含む )を始められる。歴史が認識のプラットフォームだと考えると、ネットでプラットフォームを作っちゃったヤツがイケイケになっているのと重なって見えてくるね。( たとえ200年そこそこしかなくても )歴史をキチっとやっているところは、とにかく強気になれるのかもしれない。

なんて考えてくると、メールの普及からブログへ、リアルタイムコミュニケーションへという流れは、そんな認識のプラットフォームを地球規模で作ろうとする活動なんだろう。人類の歴史に関する革命的な変化が進行中といえるんだろう。

で、いっぽう自分が飯食ってるニッポンなんだけど、そんな話が全然聞こえてこない。単に私が気づいていないだけならいいんだけど、ほんとにそんな話が脇に押しやられてしまっているんだとしたら、けっこうヤバイんじゃないの? と思った。

日本で「歴史教育」なんていうと、先の大戦がどうのとか( 応仁の乱じゃないよ )、隣国との認識のズレがどうとか、なんだかそんなことばかりになっちゃって、もう本格的につまんない学問に見えてきてしまうんだけど、実はもっと本質的なことがあるんじゃないか、と思うわけです。

といって、書店に走って「坂の上の雲」を買おう、すわっ! なんて脊髄反射することでもなくて、おそらくは「むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがいました」辺りからじっくりとスタートして、一生かけて、ああでもない、こうでもない、と矯めつ眇めつ考え続けるものなんだろう、と思う。だとすると、いまの小学生以上の人間にはたぶんムリなんだろう、ね。

なんて、息子に買ってやる絵本を Amazonで探しながら考えていた。

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※ 日本国内限定にした時、「科学教育」と「英語教育」の都道府県分布が、少々特殊に見えるのは気のせい?


◇ ◇

全然関係ないけど、Google Chromeで Gmailを開き、日本語入力やっていても未変換文字が消えてしまう、なんてことがなくなった。たぶん改善されたんだと思う。Gmailチームに感謝。

◇ ◇

もひとつ関係ないけど、久しぶりにコメントとトラバを開いた。全エントリで。要承認だけど、何かあったらよろしくお願いします。たぶん歳とって莫迦らしいスパムのコメントやトラバを目にしても「ま、いっか」と思えるようになったんだと思う。

そんなアホなコード書いているくらいなら、宮城谷昌光でも読めや。

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