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2010.01.05

弱者を切り捨てない、という選択肢は斜め上にあるんだろうか?

不景気を解消するためにデフレを止めるべきだとか、労働人口の流動性を高めて労働生産性を高めるべきだとか、実名でブログを書けないのは社畜だからだとか、やればできるとか、嫌なことは断れとか、年寄りが合理的な若者をつぶすとか、どれもこれもなるほどゴモットモ、と思ったりするわけだが、そういうことをネットで発言している人たちはいずれも仕事にも所得にも名声にも恵まれた人たちで、ブログを書けばアフィリエイトだけで基本生活費をまかなえるんじゃないか、というような“富める人々”のように思われるのだ。

で、その人たちが云っていることは正論で、正義で、合理的で、先進的なわけで、私のような小市民からすると理想の世界のように思われるわけだ。素晴らしい。なるほど。そこに目指すところがあるようですね。私も頑張りますっ、って。

でも、正論や正義や合理的とか先進的というやつについてゆけない人たちがいることも確かなわけだ。さて、その人たちをどうするか。バッサリと切り捨てるか、それとも最底辺ユーザとしてキャッシュ・カウの根っこを支える原資と見るか。

いいんだよ、頑張らなくても。これまで通り、これからも同じようにやっていこうね、悪いのは別の人たちなんだから、と当座のカネと寝床を渡してお茶を濁すのも一つの方法なんだろうし、頑張らなかったオマイらが悪いんだから文句云うな、オレを見ろ、成功しているだろうが、オレができるんだからオマイらだってできるはずだ、さぁガンバレ、とシリを叩くような励ますようなことを云って信徒化するもよし。

そんな思いやりがあるような、ないような、合理的な理屈を振り回すやら、いろいろあるわけだが、その斜め上の方に何かあるんじゃないか、という気がしている。

国際経済がどうのとか、日本社会がどうのとか、そんな広大なレベルで論じることなんて、私のような小市民にはできないから、卑近な例で考えてみた。レベルを落としているわけだから、前提条件から間違っている可能性があるわけだけど、まぁ、いいや。小市民だもん。

私は「ネット部門」で働いていて、つまり仕事がネットをフィールドにしているから、仕事をするにはPCが必須だし、ケータイをはじめとしたガジェットの使い方なんかも一通り慣れているわけだけど、オシャレなネットベンチャーじゃなくて「旧態依然とした斜陽産業のネット部門」なもんだから、ネット部門の周縁部の人たちとも付き合わねばならない。

メール送ったよ~と社内電話する人とか、自称「エクセラー」のくせに if文すら使ったことがないとか、ブログは全部印刷して電車の中で読んでいるとか、iPhone使ってるゼ凄いだろうと云いながら「2010」と表紙に箔押しされた手帳に会議の予定を書き込んでいるとか、ウェブページ作って10年なのに未だにJavaScriptを書けないしHTMLソースを手書きできないとか、メールなんて読まないからファクスで送ってちょ~とか、エンジニアなんて居ないのに CGI仕事を取ってくる営業とか、まぁ、そういう人たちと日々付き合っているわけだ。

こういう人たちを、ITスキルが「低い」とか「無い」とか云って切り捨てるのは簡単だ。

ところで、彼らがなぜITスキルを高めようとしないのか。それは“乗り換えコスト”が高いからだ。スキルを高めて得られるものよりも、現状を維持する方が痛みが少なく、お得で、快適だからだ。なぜそう思ってしまうのかというと、ITスキルを高めた先に明るい未来が見られないからだ。

別にいいよ、いまのままで、何とかやってるし、第一面倒じゃん、別に困ってないし、みんなだって同じだよ。

ということで会社の体力がなかなかつかないばかりか、業界全体が沈没しかけているんだと思う。それとも大丈夫なのかな。私の杞憂? 多少なりともスキルの高い者が、明るい未来を分かりやすく描いてみせる努力をすべきなのかもしれない。

Excelで関数とかマクロ使うと、ほら、こんなにラクできるんですよ、さっさと仕事終えて飲みに行けるし、取引先の山田部長だって仕事の早さにびっくりしますよ。

自己啓発系の人々は、プレゼンで上司を説得しましょうとか、取引先を動かすにはこんなプレゼンが大事ですとか、いろいろ書いたりセミナー開いてカネ取ったりしているわけだけど、弱い人、やる気のない人、もうこのまんまでいいや、とりあえずメシ食って風呂入って寝ちゃお寝ちゃお~、という人たちに将来像を描いて見せる、見せて動く気にする、そんな方法ってやつを誰も教えてはくれない。

カネにならないからだ。草刈場の草は放っておいて伸ばすに限る。

自分の住んでいる世界の底上げを試してみるか、それとも彼らを切り捨てるかを選ぶのは我々自身なわけだが、私はとりあえず切り捨てるほうを選ぶ。

自分が生きていくだけで精一杯だからだ。自分と家族の酸素マスクを確保するので手一杯なのだ。そもそもこんな便に乗ってしまった自分が一番悪いんだけどね。だから、メール送ったからと電話する人にも笑って応対するし、ググればわかることを訊ねてくる人にも丁寧に結果だけ教えてあげる。

非合理な人も合理的な人も、どちらもルールは唱えてくれるが未来を描いてはくれないし、富める人たちは草を伸ばしたがるし、私のような貧乏人は毎日を回すだけで他のゆとりなんてもんがない( <だったらブログなんて書くなよ )。

――なんてことを、縦軸に「金持ち↑↓貧乏人」、横軸に「非合理(≒思いやり)←→合理的(≒非情)」なんて引いたマトリクスを描いて、自分が普段好んで読んでいるブロガーの人たちをプロットしながら考えていた。そして、ここのどこかに青い海があるかもしれない、なんて考えている私は「貧乏人×非情」ということで最悪の人種かもしれない。地獄に落ちるタイプだな。ええ、ひがんでます、ひがんでますとも。

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