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2011.09.17

Quarterlyが気になる。

3カ月25ドルで購読すると、自分が選んだコントリビューター( 提供者、寄稿者 )からお届けものが届く――という Quarterlyなんてサービスが気になっている。何が届くかわからない。けれども、いずれもコントリビューターが選んだり作ったりしたものらしくて、ストリートでは手に入らない価値をもつ、という非常にコストのかかりそうな、かつ持続性に不安を感じるビジネスなんだけど、私個人としては素敵だな、と思うのだ。

残念ながら、現在のところは合衆国内のみがサービス対象の模様。

たとえば、古書店とか少し大きめな書店とかで、店主や店員のチョイスがカチッとこちらの好みにはまり込むような品ぞろえを見つけた瞬間、てのが私は好きなんだけど、Quarterlyにそんな場面を期待しているのだろう。売り場の奥まった棚の隅っこで、そこだけ、周囲とはちょっと違った時間が流れているような感じがあったりして。

最近のリアル書店ではそんな“邂逅”が期待できない。なので、自然、Amazonで買ってばかりになってしまう。Amazonのリコメンドって、結構その辺、あなどれないんだよなぁ。惜しむらくは、インタフェイスとか表示とかに、もっとなんというか、一種の“テイスト”のようなもの、邂逅の瞬間を演出するような雰囲気、その瞬間を記憶にとどめてくれる情景のようなものがあると、もっともっとベターなんだけど。

まぁ、相手はロボットだから、そんな人間臭さを求めるほうが間違っているのかもしれないけど。

が、無理かもしれないけど、クラフトエヴィエング商会的演出が欲しいと思うわけだ。ちょっと脱線するけど、「スチームパンク」ていうのはその辺の需要にスマッシュヒットしそうな気がする。ゴシックとかビクトリアンとか。受け取る人によって好悪の反応が著しいだろうけど、“邂逅の記憶”には有効に作用しそうな気がする。

ん~、その辺は過去の閲覧履歴とかで CSSを切り替えるとかで何とかなりそうだけどね。

で、話戻るけど、 Quarterlyはネットを使っているけど、いわゆるネットビジネスとは反対の方を向いているので、その辺が面白い。

・3カ月25ドルと、“購読料”としては決して安くない。
・選ばれた人間が選んだ複製不可能で予測不可能な品が…
・物理的に配達される。
・なので世界展開がひどく難しい。

たとえば、1コントリビューターに百人の“購読者”がついたとして、3カ月で2500ドルの売り上げ。日本円換算で25万円くらいの感覚。もう、ここで既に収益的には成立しないことが予想されるわけだけど、これがもっと有名なコントリビューターだとしたら“購読料”を高めに設定できるのかな、どうかな。マドンナとか( あそこまで有名だと自前でやっちゃうね )。

“購読者”百人なら、3カ月の期間で毎日平均1個強( 週平均7~8個 )の品を用意すればいいわけで、物理的な不可能さは問題にならない( だろう )。変なものを送るわけにはいかないだろうから、商品価値は“購読料”の半分の1個あたり12ドルくらいに設定、残りをコントリビューターと主催者(社)とで折半したとして、コントリビューターの取り分は3カ月で 600ドル、つまり月200ドル( 2万円くらい?)。

なんか全然金銭的には成り立たない感満点なんですけど……。じゃぁ、“購読者”千人にすれば月20万円じゃん、とか思うわけだけど、そうなると日平均10個の品を用意しなきゃいけないし、そもそも千人も“購読者”がつくか?

いまはパイロット版的に展開しているみたいなので、今後どうなるのかわからないけど、コントリビューターにとってはパーソナルブランディングのツールとして使えるかもしれない。それに、“購読者”にとっての3カ月25ドルは、雑誌や新聞の購読料にしては高すぎるけれども、“予想できないブツ”が手元に配達されるワクワク感を考えると結構安く思われてきたりもする。自分が気になる、まぁネット界隈でちょっと有名な人が、手ずから選んだ品が届くわけだから。

下世話に考えると、コントリビューターの将来価値を期待して“購読”するなんてのもアリだよなぁ、と。オークションに出しちゃうのもアリだろうし。

個人的には、収益が成り立たないとダメとか存在そのものを否定されてしまうのではなくて、こういう一種ノスタルジックなサービスが成立してもらいたいとは思うんだよね。「誕生日プレゼントで何がもらえるかわからないけど、でも、とにかく嬉しい」的な“状況の消費”――て書いてしまうと身も蓋もないけど。

こういうのは、セグメントを絞り込んで対象市場を小さく小さく設定することで成り立つんだろう。地域FM局と絡めたら面白いかも、ね。


http://twitter.com/#!/KTaro/status/114522992242999297

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