『神様のみなしご』(川島誠、角川春樹事務所 2012)
本の中で語るのは孤児ですが、語られているのは大人です。
きっと大人というのは、過去にではなく、未来に押し潰されてしまうのでしょう。
まっさらなはずの未来に、これまでにためこんだ過去のガラクタをたくさん自分で放り込んで「ほら、どこへも行けなくなった」と云ってウンザリできるのが大人かもしれません。
ウンザリするけれど、自分の匂いがするし、見知った景色に似ているので、きっと安心できるのでしょう。くたびれ切った安心感ですけど。
そんな大人たちを、“孤児院”の子ども達が淡々と語ります。
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