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2013.05.31

最後のバス遠足

ウサギを抱く

東京が梅雨入りした翌日の、極めて危うい空模様の下で、息子の通う保育園のバス遠足に同伴した。息子は年長さん。今年のあらゆる行事が「保育園最後の」となる。

普段から、保育園の人間関係には無頓着だった私は、ああ、これではいかん、せめて子どもたちの名前のを憶えねば、と思った。保育園の壁に貼ってあった先生手書きのバス座席表は、iPhoneで撮ってきてあったので、それを見ながら Excelできれいに作り印刷してみた。

30人ほどの子どもの名前を一晩で憶えるなんて無理。せめて自分の周囲の子ども達の名前を覚えようとした。3文字の名前が多いので、うまい具合にやると歌を唄うような感じになり、取り敢えず8人分は頭にはいったけど、何だかカルタの札の配置を暗記しているような気分になった。

行き先はバスで1時間ほどの自然動物公園。出発の朝、朝食の終わった「晴れ男」の息子が「ばすえんそく へんこうになるよ」「行き先が?」「うん。ふったりやんだりじゃ えんそくにならないよ」と不吉な予言。雨天時は都内某所の博物館となっていたので、「博物館は嫌?」と訊ねると「ううん。きょうりゅうの ほねがあるから いいや」と。

結果としては、行き先は動物公園に変更なし。ひどい雨に合わず、曇って湿気が多かったけれども楽しい一日だった。

道でリードにつながれた犬に出会っただけでも怖気づく息子なのに、動物を抱っこできるのかな、どうかな、と心配していたが、モルモットとウサギをちゃんと優しく抱くことができた[写真]。ウサギの背中をそっと触りながら「やわらかい〜」と嬉しそうに云う息子に、「ふわふわ毛布とどっちが好き?」と訊ねると「どっちもー!」と。帰宅して「最初のモルモットの時は怖かったでしょう?」「うん。でも つぎの うさぎのときには へいきだった。やわらかかった」と、ふわふわの感触を思い出して息子はニヤッと笑っていた。

バスで出発する前に園長先生(男)と話す機会があった。「ことしは何もかも、“保育園最後の”がつくんですよねぇ」と云うと、「そうですよね〜」続けて園長先生は「何処へ行ったか、じゃなくて、一緒に行った、が大事なんですよ、きっと」。なるほど。「親は、あそこに行こうか、ここにも行きたい、てあれこれ頭を悩ますんですけど、子どもにとってはそんなことより、親と一緒に行った、そのことが一番嬉しいんでよね」と。ん〜、いい言葉だなぁ。

夜、きょうは仕事の都合で遠足に行けなかった家人に話すと、「でもそれは親にとってなのよね。子どもはきっと覚えてないよ」と。ん〜、クールだ。

ともかく、たのしかった一日だった。もし家人が同伴していたら、きっと私はこの楽しさを体験することなく「保育園最後のバス遠足」が終わり過ぎ去っていたことだろう。相変わらず私は会社とウチとの間を往復して、そんなことに気づくこともなく過ごしていたことだろう。そう考えると、今日の一日は、何か特別な意味を持っているのかもしれない、と思われてきた。

ふだんは会社で私を苦しめている持病の不整脈が、一日鳴りを潜めていた。ん〜、大変興味深い。


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