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2013.07.03

「駐車場に神話が根づく」

時々、未だ見ないこの先の世界に生まれているであろう伝説とか神話とか、そんなものに思いを馳せたりする。そして、その時に思い出すのは「駐車場に神話が根づく」という、ウィリアム・ギブスンの言葉。これは彼の『モナリザ・オーヴァドライヴ』で、アンジイづきの監督ディヴィッド・ポープが語っているのだが、ギブスンの短編「ガーンズバック連続体」にも繋がる“未だ訪れない未来における郷愁”もしくは“失われた過去における未来”というやつなのかな。失われたものの記憶と、失われるであろうものの記憶という点ではレイ・ブラッドベリにも通じる感覚かもしれないが、まあ、それはまた別の話。

以下、メモ的に引用。

There's a pathos to it, when you think about it. I mean, every bit of it's locked into orbit. All of it manmade, known, owned, mapped. Like watching myths take root in a parking lot. But I suppose people need that, don't they?

考えてみれば、哀愁(ペーソス)が漂ってるんだよ。つまりさ、どれもこれも、軌道に組み込まれているわけで。すべて人工で、既知で、所有され、調査ずみ。まるで駐車場に神話が根づくのを見ているようなものさ。でも、人間てのは、そういうことを必要とするんだろうな
(『モナリザ・オーヴァドライヴ』ウィリアム・ギブスン著、黒丸尚訳、早川書房 1986)


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