(2011-08-17 追記があります)
このあいだの休日、電車好きな2歳の息子を連れて東京駅の新幹線ホームに行ってきた。自宅の最寄駅から東京メトロ有楽町線の有楽町駅まで行けば有楽町から東京駅までは散歩コースにちょうどいいよね、とか、無印良品の有楽町店の Meal MUJI で昼ご飯を食べられるかもしれない、なんて期待しながら。
結果として、麺食い息子の食べそうなメニューが Meal MUJI にはなかったので、隣の紅虎餃子房で食べたんだけど( 黒胡麻担担麺、うまかったです )、天気も好かったし、東京駅の新幹線ホームでは、“こまち”と“はやて”の連結したやつだとか、“Max”と“つばさ”とかをたっぷりと見られたし、“とき”の運転士さんには手を振ってもらって息子は大喜びだったし、おかげで親もなかなか楽しかった。入場券130円で2時間まで駅構内をウロチョロできるというのは、けっこう手軽でお得な娯楽だと思う。
で、何が不満で「子連れは有楽町に来るな!」なんてタイトルにしたのかというと、ベビーカーを押して東京メトロ有楽町線の有楽町駅から地上に出るまでがダメダメだと思ったからなのだ。
▽有楽町線有楽町駅構内図
http://www.tokyometro.jp/rosen/eki/yurakucho/map_rittai_1.html
駅構内図(2009年10月現在)を見てもらうとわかるが、有楽町線は B3F、つまり地下3階にプラットホームがある。まず、ベビーカーを押して、もしくは車椅子で電車を降りて改札階である B1Fに上がるには、ホーム中央にあるエレベータを使わねばならない。
エレベータで上がったところは、微妙に小高い丘状のフロアになる。ここから東の東京国際フォーラム方面に向かうにも、西の三田線や日比谷方面に向かうにも、この中途半端なロフト部分から下におりなければならない。今回は無印良品有楽町店に向かうので、東京国際フォーラムから地上に出ることにする。なぜなら、途中にあるビックカメラも、その先にある交通会館も、B1Fの地下コンコースから地上に出るには階段や人混みがハードルになるからだ。( 交通会館側はバリアフリー工事中だそうで、ちょっとは期待できるかな )
ということで、この中途半端なロフト部分からは、車椅子用のスロープを下りることにする( ちなみにココの改札は駅員がいないので、何かあったときには再びホームに戻りエスカレータで駅員を呼びに行くか、途方に暮れるしかない インタフォンあんのか? 無線LANが来ているみたいだから、それを使ってメールを送信すればいいか )。D3出口を左に見ながら進むと、再び中途半端な下り階段が現れる。これが最初の難所だ。車椅子用リフトはあるが、ベビーカーでそれを使うわけにはいかないから、ベビーカーを抱えて階段をおりることになる。( こういうヘンチクリンな高低差とか、微妙な屈曲があるから「東京の地下は……」なんてアレコレ想像したくなる )
構内図には「バリアフリー経路図」なんて偉そうに赤い線でルートが描いてあるが、あくまでも車椅子利用を前提としていて、ベビーカーのことなんて考えていないらしい。
次に、国際フォーラムへ上がる D5出口にも再び中途半端な階段が現れて、構内図には「段差解消機」なんて書いてあるけど、コレ、いったい何ね、こんなもん気づかんかったぞ。仕方がないので、ベビーカーを抱えて今度は階段をのぼることになる。
で、上がったところが東京国際フォーラムのB1Fになる。ここで、エレベータを探してみると、建物の反対側のほうに車椅子用エレベータというのがあるらしいことがわかる。東に一箇所、北に一箇所。ためしに北のエレベータに向かってみると、階段脇の狭いスペースに押し込まれるようにしてあった。注意書きのようなものが掲示してあり、車椅子専用なのでベビーカーで使うとまずいんじゃないか、施設関係者が見たら注意されるんじゃないか、という気分になりながら待っていると、エレベータが到着して扉が開いた。
▽ 東京国際フォーラム バリアフリー情報
http://www.t-i-forum.co.jp/company/barrier.html
そこにはゴミの大きなカートと清掃スタッフと思われるオッサンがひとり。
それだけでエレベータの中はいっぱいいっぱいで、とてもベビーカーを乗せるなんてことはできない。「どぞ、気にしないでいってください」とにこやかにゴミカートにエレベータを譲り、結局、エスカレーターにベビーカーを乗せて地上階に出たのだった( ほんとはイケナイので真似しないでね )。こちらが車椅子だったら、あのオッサンはどうしたんだろうか。とても車椅子をよけてゴミカートを下ろすなんて余地は、エレベータホールにはなかった( そもそも 「ホール」なんて広さじゃない )。
施設平面図をウェブで見ると、有楽町線から入ったすぐ右側、それと B1Fコンコース沿いの西側に2箇所エレベータがあるらしいのだが気づかなかった。こんど行ったらよく確認してみようと思う。……ていうか、案内表示が機能していないということでダメダメかもしれない。子連れでテンパってたから気づかなかったのかなぁ。
以前、イベントのために東京国際フォーラムを借りたことがあるという妻によると、「来賓の高齢の御婦人で、すり足でしか歩けないような人がいて、とてもエスカレーターに乗れないし、エレベータの場所がわからなかったのでバックヤードの荷物用エレベーターにご案内したことがある」そうだ。
まぁ、バリアフリーといっても、作った人間の頭の中には車椅子しかなくて、荷物を持ってベビーカーを押しているとか、すり足でゆっくりとしか歩けない高齢者なんてのは想定外だったんだろうなぁ、と。簡単に云ってしまえば「それが仕様です」ってことなんだろうなぁ、と思った。
同じようなことは、有楽町線銀座一丁目駅にも云えることを別の日に実地で確認してしまったのだが、つまりは、有楽町や銀座にはベビーカーを押して来るな、子どもが歩けるようになって来い、と、街全体が語っているのかなぁ、と思ってしまった。スタスタと歩ける健康な人の街なんだろうね、と皮肉のひとつも云いたくなるけど、たぶん子持ちの身勝手ってやつなんだろう。
【追記】(2011-08-17)
先週の木曜日に羽田へ急いでいるときに、久しぶりに東京メトロ・有楽町駅を通ったんだけど、バリアフリー工事が終わって結構ラクになってた。時間があれば写真撮って、もう少し細かく見たかったんだけど、子ども連れで飛行機の時間が迫っていたので、また別の機会に。当の子どもは既にベビーカーを卒業しちゃってるんで、個人的には、もうどうでもいいんだけど。
「東京メトロ バリアフリー」でググると
▼ バリアフリー設備|東京メトロ:
http://www.tokyometro.jp/safety/barrierfree/index.html
なんてのが出てくるので、ご参考まで。たとえば、有楽町駅についてはこんな具合。