マーケティング

2013.07.30

お菓子の個包装には製造元とか諸元表示が欲しいな。

新潟こしひかりクッキー

職場で「新潟いってきました」という人から「新潟こしひかりクッキー」というお菓子をいただきました。職場でお土産をもらうといつも製造元とか原材料を調べてしまうわけですが、個包装に諸元の記載が見当たりません。

裏

ちょっと隠れているところをめくってみても……

裏

そこで早速ネットで検索してみたのですが、製造元が出てこない。そればかりか、検索結果の上位に個人ブログが並ぶというのは変だろ~。SEOやってませんね? もしかしてウェブサイト自体が存在しないのでしょうか。結局、最初の1スクロール目( ファースト・ビュー first view )に出てこないので面倒くさくて探すの止めました( ネットユーザの6割の反応だと思う )。

“お土産”は旅行や出張から戻って職場やご近所でばら撒かれる場面が多いと思います。そのとき、個包装のお菓子たちが広い範囲に散らばるわけです。ということは、そのひとつひとつのお菓子たちが、それぞれ広告媒体として機能するはずです。

この広告媒体を活用しなくて、一体どうするんだろう――と他人事ながら心配になります。やる気ありませんね?

検索してみると、この通り。
「新潟こしひかりクッキー」でググってみると…


2013.07.29

地方自治体公式ホームページには、ぜひ都道府県名も入れてほしい。

「正しくは宍粟市です!」 誤表記送り主に「しーたん」の手紙

産経新聞 7月29日(月)8時0分配信

 「穴栗(あなぐり)」「穴粟(あなあわ)」などと誤記された郵便・宅配物が後を絶たない兵庫県宍粟(しそう)市が、表記を間違えた送り主に正しい読み方を書いた手紙を送る取り組みを始めた。手紙は市のマスコットキャラクター「しーたん」からとして、自然豊かな地元の魅力なども伝えて「しそう」をPRする。

 市は平成24年度から、難読を逆手に取ったCMコンテストを開催。読みにくさを生かして地元をPRするイベントに着手してきたが、いまだに市名を「穴栗」「穴粟」などと誤記した郵便・宅配物が届くという。

 事業名は「しーたんからのお便り大作戦」。送る手紙は裏表1枚で、表面は「読めますか? おぼえてください!」との見出しで始まり、地元の魅力を訴えて来訪を呼びかける内容。裏面には送り主の誤記部分を載せ、「正しくは宍粟市です!」と重ねて正しい表記をPRする。

 対象は官公庁や民間企業で、個人は対象外。手紙は来年2月まで送る予定。誤記された郵便・宅配物は今月1~24日で計18通届き、市が送り主にしーたんからの手紙を発送したところ、「これを機に宍粟の魅力を周りに伝えます」などの返信もあったという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130729-00000503-san-soci より

ということで大変良い試みだと思うわけですが、残念なことに、公式ウェブサイトに県名がありません。最近でこそ、このような「地方自治体の市区町村サイトにおける都道府県名の欠落」は減ってきているようですが、まだまだここまで手が回らないという自治体さんも結構いらっしゃるようです。

宍粟市トップページ下部

他県の人間、それも「何か面白いことないかなぁ~」と思っている首都圏の人間に、あなたの住むふるさとを訴求するなら、自治体名の前に都道府県名を表記するのは簡単にして効果的な一手だと思います。なぜなら、その人たちはあなたの住んでいる場所が何県にあるのか知らないため、おおよその交通アクセスを想像することすらできないからです。その人たちに都道府県を知ってもらうだけでも、東西南北どちらの方角なのかくらいは想像してもらえるでしょ?

インターネットでたまたま見つけた面白そうなお祭りや催し物が「○○○町」にあると分かって、「○○○町」の公式ウェブページを見つけることができたとしても、それが何県にあるのかがすぐに分かるか、それとも分からないかという違いは、案外大きいものです。( さらに欲張りしてみれば、都道府県名つき住所の近くに交通アクセスや観光協会のリンクがあるといいかも )

この産経新聞の記事にある「宍粟市」のウェブページのURLは http://www.city.shiso.lg.jp/ という具合に県名がありません( このタイプも最近増えていますね。以前なら www.shiso.hyogo.jp のように県名が入っていたりしました )。それに、トップページを文字列検索しても、どこにも「兵庫」という文字が見つけられませんでした。

地元PRの一環として、まずはこの辺に手を加えてみてはいかがでしょうか。自治体の内側だけ向いていればいいというのであれば都道府県名は不要でしょうが、ほら、ドラッカーも言っているじゃありませんか、「すべての成果は外の世界にある」、て。

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2013.07.05

景気がいいぞ、旅に出よう! てホントかよ。

夏休みの旅行者数、過去最高に…JTB見通し

 JTBは3日、夏休み(7月15日~8月31日)の旅行者動向を発表した。

 1泊以上の旅行に出かける人は前年同期比1・9%増の7884万人で、比較可能な2000年以降の最高を2年連続で更新する見通しだ。同社は「景況感の改善を背景に、消費者の旅行へ向かう意欲が高まっている」と分析している。

 国内旅行は2・2%増の7624万人で、これまでの最高となる。東京スカイツリーなど人気スポットを抱える首都圏が堅調で、世界遺産登録の効果で富士山周辺の観光客増加も期待される。

 海外旅行は、円安などの影響で5・8%減の260万人。中国や韓国が低調な反面、タイやマレーシアなど東南アジア、欧州が人気を集めている。

(2013年7月3日21時07分 読売新聞)

国内旅行が約97%となり。いっぽう海外旅行の人数はハナクソ……失礼、誤差のようなもの。お盆の時期だから“里帰り”で人数が膨れ上がるのは当然だとして、この数字で果たして「景気感の改善」と分析していいものかどうか。大概、景気が良いとか家計にゆとりがあるときには海外旅行なんじゃないかな。

JTBのリリースを見ると、旅行費用が高くなっているとある。数字を見ると国内旅行で1280円増、海外旅行で11800円増。国内旅行の数字には交通費や宿泊費、食事代などが含まれるそうで、これは円安で高くなった燃料費が影響してくる部分でもある。だから、旅行費用が高くなっているから景気が良くなっているとは言えない。海外旅行の数字にはジェット燃料代が含まれる。エジプトのクーデターとか中東の不安定さなんかで簡単に原油価格は上がっちゃう。

それから、このリリースにも載っているけど、JTB総研の「生活者の今の気持ち」調査によれば、増税や物価の上昇が生活 を圧迫しそうだ」と共に「やりたいことを後回しにせず、今できることを大切にしたい」という意識が高く 表れたんだそうだ。意地悪な言い方をすれば、この先どうなるかわからなくて不安だから今のうちに楽しんでおこうよ、てことかな。消費税上る前に、ね。

それと、ピピッときたのは昨日(2013年7月4日)の毎日新聞夕刊にあった石田衣良氏のコラムの一節。引用すると、

 経済が伸び悩み、国際社会での影響力が低下すると、その国は独善的になり、内に閉じ、伝統に回帰しがちだというのは、国際関係論のセオリーという。右傾化も国力衰退症候群のありふれた症状のひとつと冷静に指摘しておけば十分なのかもしれない。

世界遺産となった富士山は“日本の象徴”だし、東京スカイツリーなんてのも国が大きな旗振って進めた大プロジェクトだったしなぁ、と思った。煙と何とかは高いところに登りたがる、とかいうことか? 最近きな臭いのはその辺にあるのかな。煙でてんのかなぁ、煙が何かの狼煙[のろし]にならなきゃいいけどなぁ。

今年「遷宮」の年を迎えた伊勢神宮、出雲大社が人気、というのも、つまりは「伝統に回帰」てやつ? たまたまなんだろうけど。

そもそも、このリリースには年齢性別などデモグラフィックな情報が載っていないのが決定的に欠陥なんだよなぁ、というか、このリリース自体がある種の雰囲気を醸成するための情報源として機能するように期待されているんじゃないの? と勘ぐりたくなるわけだ。

こんな一見政治とは関係ない情報を取り上げて、原典にあたってあれこれ考えてみるというのは、参院選で誰に、どの党に投票すべきかを考えるための良い練習問題かもね。

【参考】
2013年 夏休み(7月15日~8月31日)の旅行動向(PDF:444KB)
http://www.jtbcorp.jp/scripts_hd/image_view.asp?menu=news&id=00001&news_no=1719


2013.06.05

ゾフィーを見つけた、て、ちょっ…、ま…

先日、息子がウルトラマンが好きだと書いた。もちろんソフビ人形も好きで、いつの間にかウルトラマンやら怪獣やらがウチの中にゴロゴロと増えてしまった。その中で、結構重要な位置を占めるはずの“ゾフィー”のソフビだけ買い遅れていたところ、いつの間にか店頭から姿が消えてしまっていた。ありゃ〜、どうしよう。

が、検索してみると再びその雄姿を Amazon店頭で見られることに気がついた。ん? ナンバーが「500」? て、これ新製品じゃん。「ただいま予約受付中です。」

商品説明を読むと、なんちゃらスパークと連動するライブサイン付き完全新造形だとぉ?

そこでその「なんちゃら」、じゃなくて、“別売りの「ウルトラマンギンガ DXギンガスパーク」”を検索してみると――、出た。新製品だ。もう、全国の親御さん、耐えましょう、という感じ。しかも“よく一緒に購入されている商品”を見ると、ウィザードの「白い魔法使いドライバー」が……。まるでウチのことをビシッと指摘されたような気分。そう。我が息子も欲しがってます。白い魔法使いの変身ベルト。

保育園のお友達の間では7月の新番組情報が行き渡っているようで、おそらく新商品についてのラインナップやら詳細データを我が息子が仕入れてくるのも時間の問題のようです。

ガブリンチョと「連動する、ライブサイン」について知らん顔を決め込んでゾフィーだけ買うことにしよう、っと。その他については工作用紙で作ることにするかぁ……。

2011.09.27

音声入出力の世紀

タブレットの次は音声入出力かな。ARとの親和性もよさそうだし。本格的な「手ぶらコンピューティング」の到来、とか。その次はチップを首筋に埋め込む、とかの「内植型コンピューティング」だ
posted at 2010年7月23日

価値の源泉がしばらくの間はリアルにあるだろうから、リアルに浸み込みやすい音声I/Oが注目されてもおかしくない気がする。
posted at 2011年9月7日

いっぽう、コンシューマー場面では本格的なボイスコンピュータ時代が来そうな予感> The State of the Mobile Cloud According to Cisco http://t.co/rWFCMYK
posted at 2011年9月7日

B! これはあってもおかしくない。> Apple iPhone 5 ‘Assistant’ Provides Revolutionary Voice Command System [Rumor] http://t.co/fLM8tSgC
posted at 2011年9月27日

音声時代の入出力の世界では、デスクトップとかビジュアライゼーションとかの概念が無意味になる。イルカによるオペレーションという視点が有効だろう。音声・振動・触感という皮膚感覚デバイスが日常コンピューティングの主役になる。(イルカってのは“所有”の概念が無さそうだから、クラウドコンピューティングを考えるときにも良い視点じゃないかな)

それにともない、これまでの“伝達の手段としての音声”という考え方から、音声そのものに価値があるという認識の変化が起こるだろう。音声・振動・触感のリッチさ、多様さを表現するための新しい尺度や語彙が登場する。

将来的な結果として、初音ミクは音声入出力のための技術基盤としての布石となった、と解釈されるかも。多種多様な機械音声の“個性”を実現するのに大いに役立ちそうだから。

ということで、実は音声にこだわった WILLOCMが適切な波に乗っていた、なんてことになるかも。

「ウィルコム宮内氏、「トークを徹底的に追求した」 - ケータイ Watch」

 ウィルコムは21日、今秋以降に発売する新機種群を紹介する発表会を開催した。昨年の会社更生以来、初の新機種発表となり、代表取締役社長で、事業家管財人でもある宮内謙氏は「年度内に黒字化するのでは」と囲み取材でコメントするなど“新生ウィルコム”アピールの場となった。

■ だれとでも定額でユーザー層に広がり

 プレゼンテーションにおいて、宮内氏は「TALK MORE LINK、話す もっと 繋がろう」というキャッチコピーを紹介し、「ウィルコムの強みは何か。よりシンプルに戦うのがコンセプト。そこでトークを徹底的に追求した」と語る。

WILLCOMは、単に音声を伝搬するだけのキャリアにとどまらず、端末の両側にある音声・振動・触感の皮膚感覚インタフェイスの開発プラットフォームを作るのに最適な位置にいるんじゃないかなぁ、と思った。

2011.09.08

オッサンに語る言葉を持てるだろうか。いや、持つべきだろうか。

世界はひとつに見えるかもしれないけど、実は複数の異なった世界が錯綜している、という話。

心臓が悪いのでふた月に一度くらいずつ専門病院に通っている。きょうは診察日。仕事を早引けして病院に行った帰り道、午後5時前の近所の西友に行った。

ビール風のお酒3本とナッツ類をカゴに入れてレジに並んだら( 心臓悪いけどお酒は大丈夫なんです )、いかにも“独り暮らしの高齢男性”といった風情の客が、僕の前に並んでいる。見回すと、周りに結構そんなオッサンがいて、みんな一様にビール一缶と肉系の総菜を一品、カゴに入れたり、直接手に持ったりして並んでいる。

ふだん買物をしている休日の日中にくらべると、なんだかひどく違和感を感じる光景。オッサン、場合によってはジイサンと呼べる男どもがたくさん並んでるんだよ? ( ここで2005年国勢調査の数字を出して、一人暮らし高齢者男性が全国に百万人いるとか何とか具体的なコト云っても無意味。このエントリは僕の主観なんだから )

ああ、こんなオッサン達を幸せに出来るネットサービスなんて出来るんだろうか、なんて順番を待ちながら考えていた。偉そうにネットとかウェブとかスマフォとかいいながら仕事したところでタカがしれてるなあ、と思った。

ここに並んでいるオッサン達は、いかにもネットに親和性が無さそうで、ケータイ持ってるとしても音声通話ばっかりでメールとか打ちそうにないし、ましてやブラウザ使って……なんてムリだろうなぁ、なんて勝手なことを考えていた( あくまでも主観です )。僕の後ろに並んでいた女子大生風が、ずっとケータイ見ながらいじっていたのとは対照的。むっつりと黙り込んで前を見て並んでいる男たち( ま、それが男の風景としては普通だよね )。

でも、オッサン達も、自身の知らない別の世界から幸せを得たいとも思ってはいないだろうな、とも思ったのだ。こんな人たちとは、もう全然別の世界で仕事をしている僕なわけで、でもそれって、それだけで済ませてもいいんだろうか、という疑問は残るんだけどね。

たとえば、震災後の仮設住宅に暮らす人達についてニュースで語られていた。で、微力ながらネットの力で何とかならないだろうか、なんて思ったりするけど、それだって、僕らに出来ることなんて仮設住宅住まいの人たちにとっては本質的ではない、つまりは周縁部分ばかりじゃなかろうか( 周縁であっても、無いよりマシかもしれないけど )。

そこで自分の視野の狭さに気づいた。

僕らがあれこれ出来るのは、所詮は、電力網、通信網、端末、OSなどソフトなんかのインフラやプラットフォームがあるからこそなのであって、それから離れたらほとんど無力。自分の手で畑を耕したり、荷物を抱えて配達して回ることにくらべると、なんてバカバカしくも複雑で勿体ぶった仕事なんだろう。

幾重にも積み重ねられ、組み上げられ、織り上げられたたくさんの前提条件が、一定の順番で成立しなければ何も出来ない、なんて、実のところ、本質的な営みからは遠く離れているのではないか、と思われてしまうわけだ。

ま、でも自分に出来ることを少しずつやるしかないし、いっぽう、オッサン達は埒外でいいとか、被災者は自分で何とかしろとか、そんなことを云いたいのではない。あれこれ作ったり試したりするときに、その向こう側に何かを見ながら手を動かさなきゃならないんだろうなぁ、と取り敢えずの結論が出たところで、レジの順番が回ってきた。

で、そこで、紙幣や硬貨じゃなくて、カードで支払っちゃうところがまた虚無的で自分の虚業性を感じちゃうところなんだけど( だって、小銭、ウザイんだもん )。オッサン達はしっかりと、使い古した財布やガマ口から、硬貨を丁寧に数えて払っていました。


2010.12.30

もし自治体の観光課職員が{ドラッカーを読んだら|スマフォを持ったら}

ドラッカーは上田惇生氏の翻訳で十年以上前から読んでいるにもかかわらず、まじめさが足りないせいか私は未だ偉くなれないんだけど、偉くなったらなったでイロイロ責任を背負わねばならないから、ま、い~や、なんて負け惜しみを云っている。

今年は「息子に何も残してやれない自分」を自覚して JapanLocal.info なんて怪しげなサイトを作り始めた。全国自治体の公式サイトから新着情報を集めてきてリストにしたら何が見えるだろうか、という試みだ。ネタ元は mediagazer.com のようなやつなんだけど。

この作業の途中「観光」や「秋の」というキーワードで都道府県サイトの新着情報を眺めてみると「なんだか不活発だなぁ」という印象を抱いた。「秋の」といえば「全国交通安全運動」しか出てこないのは哀しいじゃん? 季節ごとに無理やりにでも何か見つけるべきなんじゃないかなぁ、と。

組織の成果は、外部からもってくるもの。価値とは組織の外にある——と云ったのはドラッカーだったと思うけど、確かに組織内部での循環経済なんて所詮は自家発電の自家消費でしかない。自給自足経済ならそれでも問題ないだろうけど、そんなロビンソン・クルーソーな状況なんて基本的に不可能な時代になっちゃってる。地産地消なんて負け惜しみなんじゃないのぉ〜?

で、(無理矢理に)問題領域を地方自治体に定めて考えてみると、商工観光課なんてのは自治体内で唯一の金儲け促進第一目標部門なんだから、企業的であってかまわないと思われてくる。医療・福祉・教育なんかが金儲け優先思考だと、みんな不幸になっちゃうだろうけど( 最近はその辺をはき違えているのが多いみたいだけど)。

そこで、地方自治体がなんらかの“金儲け”をするんなら、他県( もしくは他国)からの“収入”が必要なわけで、つまりは観光・商工分野ということになる。まぁ、県越境型メディカルツアーなんてのが考えられないわけではないけど、それは商工分野になるんだろうな。“病院門前町化”とか。

だったら、可処分所得の高い人たちを呼んじゃおう、だったら都会から来てもらうじゃないか、都会のシニアなんかいいカモじゃん、と安直だけど結構正しい視線かもしれない。スイスで働きフランスで暮らす、というやつの国内版。じゃぁ、都会の人はどんな情報環境なんだろうか、都会の人にアピールするにはどうすればいいの? で、どんな“観光”が人気なんだろうか?

自分が実感できる領域にシニアが居ないので取り敢えず無視するとして( いいのか?)、通勤時間帯の電車とか乗って気づくのは昨今のスマートフォン(=スマフォ)の普及。iPhoneなんて年齢を問わず女性に人気?——と思われるくらい、よく見るようになった。

この辺の実感情報は、広い庭付き一戸建てに暮らして家族全員に自家用車があって、通勤はその自家用車で運転して30分以内の地元、なんて人には見えてこない( 自分もかつてはそうだった )。一週間くらい都会のウィークリーマンションに寝泊まりして通勤時間の電車に乗ってごらんよ。

端末が常に手元にあって、それを持ち歩いて、手軽に検索行動が出来てしまう、そんな環境に地方自治体のウェブサイトが適応できているかというと、JapanLocal.infoから伺い知る限りにおいては“否”なのだ。

まずは、地方自治体のみなさんはスマフォを買って、いつも持ち歩いて、何かあるたびに検索してみよう。違うもんが見えてくると思うよ。この辺に、都会の人の情報環境に“押し込む”きっかけがあると思う。実際に iPhoneを使い始めて一週間、強烈に感じるわけです。

Amazonで スマートフォンを検索

▼ 自治体関係者はスマートフォンを買いましょう
http://www.tafworks.com/2009/12/post-0d72.html

▼ 仕事あるかな? と旅先で思う
http://www.tafworks.com/2010/04/post-9b0d.html

2010.09.10

目を上げると「だから、産経新聞を読む」

「自信がないとき、人は気分をとらえようとする。気分に支配されていては、強いメッセージ性のある商品は生まれない」。そう夏野は訴える。

ファッションも芸能人も、一国の首相さえも次々に“消費”される時代。気分のままに賞味期間はどんどん短くなっていく。スピードと効率ばかりが重視されるなか、「本物」を育てることはできるのか。

2010年9月5日付 産経新聞東京朝刊


( http://www.sankei.co.jp/netview/yahoo/kdk/100906.html )

へぇ~、新聞屋だけどマトモなこと一応書いてるじゃん。ありきたりだけど、ね。ブクマしとくか、と思って はてブしようとページタイトルを見ると「だから、産経新聞を読む」。HTMLソースは次の通り。

<meta name="robots" content="noindex,nofollow">
<meta name="keywords" content="" />
<meta name="description" content="" />
<title>だから、産経新聞を読む</title>
<link href="css/style.css" rel="stylesheet" type="text/css" />
</head>

わぉ、noindex, nofollow で keywords と description が Nullだって。

「本物」を育てることはできるのか。

だから、産経新聞を読む

マーケティングだよねぇ~。最近の産経新聞には、ネットに対するガッツを感じるんだけど、なんか変わったのかな。

2009.11.06

広報活動が完璧なら広告は不要になる、としたら

なんだかまとまらないので、サクッとメモ書き。

【参考】広報活動が完璧なら広告は不要になる
http://twitter.com/KTaro/statuses/4967181100

で敷衍しつつ考えていること。

  • 未来の「広告」とは、コミュニティに対する広報となる。
  • 良質なコミュニティを、いかにして作り育てるか、が焦点となる。
  • 広報機能を持つウェブには、アクセスのしやすさ、使いやすさ、検索エンジンが情報を取り出しやすい仕組みが重要。
  • しかし企業サイトのメディア化、プラットフォーム化は非常に困難。
  • 既存ポータルや検索エンジンを利用するのではなく、企業間アライアンスでのプラットフォーム作り。
  • その時、自前コミュニティを利用した生活シーンへの浸透戦略。
  • 既存コミュニティとのアライアンス。
  • そんな「束ねるコミュニティ」を作れば、企業とのアライアンスが容易に。では、何で「束ねる」?
  • 生活シーン、シチュエーション、ステージという切り口、そしてシナリオというツール
  • リアルとの接点として新聞社系サイトに可能性がある(か?)。信頼性の増幅装置として機能できる、かも。

2009.10.20

報道のスピード競争は体力勝負の安売り競争だ

海の向こうではどんどん紙の新聞社がつぶれているとか聞こえてくるし、最近の調査によると記者の多くが紙からデジタルへの移行を望んでいるらしいとか。実は日本国内の一般紙の、特にネット部門も同じ感触を実感しているのだ。「編集が遅い!」って。

紙の編集部は新聞の発行時間に間に合えばいいや、という意識で100年以上やってきたので、理屈ではわかっていても、たぶん感覚の転換がうまくいかない。けれども、ネット部門はリアルタイムでニュースを卸しているから、取材・編集部門(ニュースセンター)が最新のニュースをどんどん出してくれないと他社のネットニュースに負ける、と焦ることが多くなる。そこで、社内アピールとして「○○事件のネットでの掲載時刻は、××新聞が何時何分、△△通信が何時何分……」のようなドキュメントを作って紙の編集部門や地方支局の記者に回覧するような工夫をする。

その甲斐あってか、最近ではニュースセンターの担当者がネットニュース向けに原稿を早めに出してくれるようになって一定の効果が見えてきた――のような話を聞いた。

まぁ、悪いことじゃないんだけど、ちょっと心配なのは、このままネットでの速報競争が激しくなってゆくのは、一種の安売り競争になっちまうんじゃないかと思われることだ。とにかく安売り競争では体力のあるところが勝つ。体力とは、資本力とか人的資源とか技術投資とかいろいろあるが、結局のところ他社との差別化戦略としては最上とはいえない気がするのだ。こと新聞社はこの点において分が悪かったりする。

社内見学してもらえばわかることなのだが、新聞社の中にはテレビがいくつもつけっぱなしになっていて、NHKをはじめとした複数のチャンネルをずっと流している。そして、テレビ画面に速報ニュースのテロップが流れたら、それを見ながら第一報の原稿を書く、なんてことをしている。もちろん自社での裏づけは取るけれども、速報とか第一報という点では自社だけでは絶対に勝てないことが多い。これはテレビ局やラジオ局だって同じだと思う。

マスコミどうしが連携して一種の速報システムを作り上げているようなものだが、どんなに彼らが頑張っても、速報のスピードを事件発生の瞬間にまで引き上げることはできない。しかし、インターネットはそれができてしまう。

不時着した飛行機の乗客が携帯端末でネットにリアルタイムで第一報を流すなんてのが典型例だ。マスコミどうしでスピード競争をしていたら、読者や視聴者が競争相手になっていたということ。安売り競争で商品の価格を下げることに血まなこになっていたら、低コストでお客さん自身が商品を作り出していた、といったところか。

「視聴者がどんなに現場からニュースを発信したとしても、信頼性がないじゃないか」というマスコミ側からの指摘があるだろうが、インターネットに接続している複数の視聴者が現場からの情報の信頼性を保証してしまうという現実がある。信頼性とは、つまるところ時間の集積だからだ。

ひとつの放送局や新聞社が数十年から100年以上かけて積み上げてきた時間が、その報道機関の信頼性を保証している。一貫性と言ってもいい。

一方、視聴者であるネットユーザひとり一人の個々の信頼性は、テレビや新聞社にくらべれば取るに足りないものだが、それがインターネットというプラットフォームによって束ねられたとき、個々の時間が一瞬にして積み上がって世界が無視できない信頼性を形成してしまう。そんな現象がいつでも必ず起きるとは断言できないにしても、少なくともそのような可能性は否定できない環境が実際に存在しているし、そのようなメカニズムが機能している実例がいくつもある。

マスコミの歴史という単一の時間軸による一貫性に対して、「その場面」という瞬間的だが同時多発的な一貫性が立ち上がる。どちらがどちらというわけではないが、とにかく現実としてそんなスピード競争が目の前にあって、それでもやっぱりニュースの速報競争なんてことをやり続けるのだとしたら、相当の消耗戦を覚悟しなければならないだろう。

そんな体力が果たして自社にあるのかどうか、まず経営者はその辺を見極めるのが重要だと思う。そして、そんな消耗戦を続けてゆけないと判断するなら、さっさと経営戦略を見直して戦線から離脱するべきだ。その点、専門性の高いメディアや地方新聞というのは、それぞれ独自のプラットフォームを自前で作り出して「戦線離脱」するのが容易に思われる。パイは小さいが収益性の高い青い海を見つけやすいだろう。ただ、規模の経済になれていると、こういう青い海がなかなか見えてこない。もしかしたら「見たくない」というのが本音かもしれないけど。

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